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 認知症研修会「高めよう!認知症の生活スキル」2013年2月9日(土)
                                                 ポスター

現代の日本の認知症の患者数は約242万人といわれており、高齢化社会の進展と共に今後も増え続けるとみられています。実際にリハビリテーションの場面でも認知症を合併する患者は増えており、介入の難しさを感じている医療関係者の方も多いのではないでしょうか。

「認知症があるから何度注意しても間違う」、「認知症があるから覚えさせることは無理」と考えてしまうこともあるかもしれません。理学療法士として介入の方法に難渋している最中、認知症研修会へ参加する機会を頂きました。研修会は、三菱財団の社会福祉研究助成を受けて、参加費無料で実施されていました。当日の研修会内容をご紹介させて頂きます。

認知症研修会は、『高めよう!認知症の生活スキル〜行動リハビリテーションを活用する〜』というテーマで東京会場の臨床福祉専門学校で開催されました。また、インターネットによる双方向通信で北海道会場の日本福祉リハビリテーション学院でも同時開催されました。研修会には、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など両会場を合わせて25名の多職種の医療関係者が参加されていました。




シンポジウムのはじめは,聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の大森圭貢先生による「応用行動分析学の基礎」の講演が行われました.講演では行動制御の法則や原理などの基礎的な内容について日常生活場面を例に提示しながら具体的な説明があり,実際のリハビリテーション場面での活用方法や学生指導などのへの応用例についての紹介がありました.

続いて,高知リハビリテーション学院理学療法学科の山崎裕司先生による「認知症患者に対する行動リハビリテーション」の講演が行われました.講演では認知症患者に対する日常生活動作練習場面での行動リハビリテーションに関する具体的な方法論や介入のポイントなどについての説明があり,介入方法やその効果などについて実際の研究データを踏まえて解説してくださいました.特に無誤学習過程を計画することで動作学習が促進される事や問題行動のみに着目せず適切な行動を定着させるように動作練習を行っていく事がとても重要であるということがとても印象に残りました.

最後は,了徳寺大学健康科学部の加藤宗規先生による「事例紹介」の講演が行われました.動作学習が困難な認知症患者に対して,文字教示や口頭指示などの手がかり刺激を活用することでトイレ動作が獲得できた事例や手がかり刺激を徐々に減らしていく技法を用いることによって移乗動作が獲得できた事例などの紹介がありました.以上の3講演の後に,新潟医療福祉大学の鈴木誠先生から,三菱財団社会福祉研究助成「高齢アルツハイマー病患者に対する支援プログラムの構築:筋力および生活自立度の改善を目指して」の概要に関する説明がありました.

また,すべての講演が終了した後,講演していただいた先生方を交えてのパネルディスカッション「臨床現場の疑問について考える」が行われました.パネリストの先生方が事前に記入してもらっていた認知症患者へのアプローチに関する臨床上の疑問や行動リハビリテーションの活用方法などに関する質問に対して回答や解説を加え,その場で参加者とディスカッションするなどとても積極的な意見交換が図られていました.

一般的な臨床場面では認知症患者に対する無誤学習過程については考慮されていないことがほとんどであり,失敗などの経験から結果として患者の不安や緊張,怒りなどの嫌悪刺激を増やしてしまっていることが多いと感じています.更にそのような状態に陥った原因が介入している自分たちにあるとは気づかずに,患者自身のせいにしてしまっていることや“できること”を見ようとせず,“できないこと”ばかりに着目しているといったことも良くある話ではないかと思います.この研修会で学んだことを活用し,認知症患者の適切な行動を増やしていくことで認知症患者の生活スキルの向上が期待できることから,今後は地域・在宅においてもっと活用していく必要があるのではないかと感じました.

*本事業は,平成24年度三菱財団社会福祉研究助成により運営されています.