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a活動報告新着情報・FAQ

日本行動分析学会 第29回年次大会 自主企画シンポジウム  2011年9月19日(月)

2011年9月19日に早稲田大学戸山キャンパスにて日本行動分析学会の自主企画シンポジウム『行動リハビリテーションの発展―作業療法・理学療法・言語聴覚療法における実践成果―』が開催されました.応用行動分析学とリハビリテーション学の融合領域である行動リハビリテーションの考え方に触れ,明日からの臨床を考える貴重な機会になりました.また,研究会の研究成果を発展させた実践向け研修会(「認知症への行動リハビリテーション」)が,2011年10月2日(日),2012年2月11日(土)に行われるとの報告がありました.「認知症」という社会のニーズが高い分野に直接対応できる行動リハビリテーションの発展に魅力を感じました.

シンポジウムでは,山本淳一先生(慶応義塾大学文学部)の司会の下,3名の先生方が最先端の実践報告をしてくださり,会場との意見交換が行われました.この時の様子を,簡単ではありますが,以下にご紹介させていただきたいと思います.

「脳血管障害患者に対する予後予測の方法:作業療法における実践的活用」
 鈴木誠先生 (新潟医療福祉大学医療技術学部:作業療法士)
脳血管障害患者における両側上肢の機能障害と日常生活動作障害に焦点を当て,行動リハビリテーションの実践において活用されている対数モデルを用いた予後予測の方法を紹介してくださいました.脳血管障害を発症した対象者では,脳の病巣と対側の上肢だけでなく同側の上肢にも機能障害を生じ,動作自立の阻害因子にもなっていることが指摘されていました.対数モデルによる予後予測法を行動リハビリテーションに基づいた実践に活用した場合の正確性や有用性について解説くださいました.
「身体機能と日常生活動作に関する実践研究:理学療法の現場から」
 大森圭貢先生 (聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院リハビリテーション部:理学療法士)
歩行動作や立ち上がり動作をはじめとした各種動作を行う上で参考となる身体機能の指標について事例を提示しながら報告してくださいました.理学療法の対象者の日常生活動作が自立に至る過程には,機能訓練による身体機能や認知機能の改善と,動作練習による新しい行動レパートリーの獲得が相互的に影響を及ぼしているという考え方を説明頂きました.動作の獲得に必要な身体機能や認知機能の水準が明らかになれば,日常生活動作障害の原因の推定や介入方法の選択・実施に役立つことを協調されていました.
「遠隔地コンサルテーションを用いた自閉症児に対する言語療法」
 森下浩充 (須崎くろしお病院:言語聴覚士)
 東京と高知の遠隔地間にて,「Skype(インターネットテレビ電話)」を用いて,毎週1回,訓練を実施した事例について報告してくださいました.介入では,言語聴覚士が毎週1回,離散試行型指導法とピポタル反応指導法を活用した言語聴覚療法を実施し,行動分析家からSkypeを用いてスーパーバイズを受けたとのことです.実際に行った訓練映像を相互にモニターし,「場面設定」,「確立操作」,「先行刺激操作」,「ターゲット行動」,「強化刺激の提示方法」などについて討議され,次の課題を決定されたという過程を分かりやすく解説して頂きました.このような「e-consultation」という,新たな介入方法は,対象者のみならず介入者の行動も向上できる画期的な方法と思われ,非常に興味深く発表を聞かせて頂きました.
今回のシンポジウムに参加させて頂いて,対象者の予後予測,目標設定,介入方法など,行動リハビリテーションの魅力的な考え方に触れることができました.対象者の皆様から与えて頂いた時間を大切にしながら,今回学んだ考え方を実践していけるよう,日々の臨床に励んでいきたいと思います.講演をしてくださった先生方に,心より感謝申し上げます.