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キックオフシンポジウム  2011年4月10日(日)           ポスター

会場となった慶応大学三田キャンパス内にある桜はちょうど満開で,春の訪れを告げる温かな日和の下,4月10日(日)に行動リハビリテーション研究会「キックオブシンポジウム」が開催されました.キックオフシンポジウムには,作業療法士,理学療法士,言語聴覚士,看護師などリハビリテーションに携わる様々な職種の方々が67名ご参加くださいました.また,インターネットで配信致しましたシンポジウムの生放送を24名の方々がご視聴くださいました.

キックオフシンポジウムは,当研究会顧問の山本淳一先生(慶應義塾大学文学部)の司会の下,各演題に関して活発な意見交換がおこなわれました.当日の様子を簡単ではありますが,以下にご紹介したいと思います.


 これまでの活動:山崎裕司先生(高知リハビリテーション学院理学療法学科
 リハビリテーションに応用行動分析学を取りいれることになった動機やこれまでの研究の動向について,対象者の動画を交えながら具体的に分かりやすくご説明いただきました.

運動療法や日常生活動作練習などリハビリテーションにおける練習の大部分は,患者の協力や努力なしでは成立しません.対象者の主体的かつ適切な行動を増加させるためにどのような介入方法が有効なのかについて,山崎裕司先生を中心としてこれまで数々の研究が行われてきました.

また,本研究会発足前からの活動として,「日常生活動作練習の進め方」,「臨床実習指導の進め方」,「運動療法の進め方」などをテーマにした研修会が行われてきました.北海道では,「リハビリテーションのための応用行動分析研究会」が2007年より発足されています.
 研究会趣旨と今後のプラン:鈴木誠先生(新潟医療福祉大学医療技術学部)
 リハビリテーションにおける日常生活動作練習では,どのような対象者に,どのような練習を行うと,どのような結果が予測されるか,何故そうなるのか,ということが十分には分かっていません.行動分析学の分野で明らかにされてきた行動の法則や学習を促進するための技術をリハビリテーションにおける日常生活動作練習の場面に導入した場合,適切な行動を学習するためにどのような動作練習が効果的なのかという視点に基づいた様々な検討を行うことが可能になると思われます.

行動リハビリテーション研究会の目的は,行動分析学とリハビリテーションに関する研究を促進することです.当研究会では,(1)研究会誌の発行,(2)書籍の発行,(3)研修会の開催,(4)研究会の開催を行っていきます.特に,高齢化社会の進展に伴い認知症を有する対象者の数が急速に増加してきていますが,有効な日常生活動作練習の方法が明らかになっていないのが現状です.そのため,認知症を有する対象者の日常生活動作障害に対する介入を目下の重点課題にするとの報告がなされました.
 創設記念講演「脳卒中片麻痺上肢に対するブレイン・マシン・インターフェイスを用いた神経リハビリテーション」
牛場潤一先生(慶應義塾大学理工学部生命情報学科専任講師,医学部リハビリテーション医学教室兼担,月ヶ瀬リハビリテーションセンター兼担)
 ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)の技術を活用し,脳卒中によって重度の片麻痺を有した対象者に対するトレーニングを実施した効果を,動画を交えながら分かりやすくご説明くださいました.

脳卒中を発症した対象者では,身体イメージの喪失が起こり,企図した運動に適した脳活動が起きにくくなる現象が観察されます.牛場先生たちの研究グループでは,対象者が運動を企図した時の脳波の変化を感知し,企図した運動を介助するように麻痺肢に装着した装具が動作するというシステムを開発されました.被験者の運動企図に応じて装具が駆動することによって,対象者が自分の身体イメージを強く意識した練習をおこなうことができ,それが神経経路を賦活するために有効であるとのことです.
 事例研究発表
事例1.
大腿切断者の身体活動量における目標提示の効果.大森圭貢先生(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院)
事例2.座位バランス障害を有した患者に対する着衣動作練習.杉村誠一郎先生(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院)
事例3.箸操作練習における身体的ガイドの有効性.佐々木祥太郎先生(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院)
事例4.地理的障害に対する道順練習の有効性.中村恵理先生(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院)
臨床において応用行動分析学の理論を日常生活動作練習の場面に導入する際の試行錯誤や工夫が詳細に説明されました.今回報告された各介入の応用方法や結果を一般化するための今後の展開などについて,ご参加頂きました方々との活発な意見交換がなされました.