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a活動報告新着情報・FAQ

日本行動分析学会 第30回年次大会 大会企画シンポジウム  2012年9月1日(日)


2012年(平成23年)9月1、2日(土・日)、日本行動分析学会第30年次大会が高知県にて行われました。本大会では、100題近くの演題発表がなされ、参加者もリハビリテーション関連職種の方だけでなく様々な職種の方が参加されていました。

大会一日目の午前には大会企画のシンポジウムである「行動分析学によるリハビリテーションの発展」が開催され、大森圭貢先生(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院)、鈴木誠先生(新潟医療福祉大学)、遠藤晃祥先生(日本福祉リハビリテーション学院)、森下浩充先生(須崎くろしお病院)が話題提供をしてくださいました。先生方より行動分析学に関するこれまでの研究の成果や今後の展望・有用性に関してご説明頂きました。その中で、私が特に興味深く感じたものをいくつか取り上げたいと思います。

大森先生よりお話して頂いた、行動分析学理論を用いた運動療法では、これまで患者様はどのような訓練をどの程度行えば目的とした動作が可能となるのかといった見通しを持つことができないことが多かったという問題提示がまずなされました。それに対し、動作の自立に必要な筋力値の患者様に提示し、グラフなどを用いて見通しを示すなどの先行刺激と後続刺激の整備を行うことによって、運動療法に関するより高い効果が得られるという提案が多くの実践研究の結果を基になされました。大森先生のお話をお聞きして、見通しを示すことで患者様自身が現在の状態を把握し、目標を持ってリハビリテーションに取り組むことが可能となりモチベーションや訓練意欲を高めるといった相乗効果もあるのではないかと思いました。

鈴木先生は行動分析学による日常生活動作練習についてお話しされました。運動麻痺などの機能障害を呈した患者様は、障害を生ずる以前の方法で動作を行うことが困難となることが多く、新たな動作手順・方法を学習し獲得していく必要があるという指摘がまずなされました。それに対して、これまでに行動分析学の理論を用いた数多くの日常生活動作練習が考案され、多くの実証研究を通じて効果検証が行われてきました。シンポジウムでは着衣,歩行,起き上がり,箸操作などの日常生活動作障害に対する評価および介入効果についてビデオを交えて紹介して下さいました

これらの発表は、行動分析学による運動療法効果や日常生活動作練習の有用性を示しており、今後のリハビリテーションの発展に行動分析学理論が与える可能性について考えるための良いきっかけとなったと考えます。
今回の学会参加を通して、行動分析学の神経生理学的背景を含む基礎的な内容から行動分析学の理論を用いた臨床での応用実践、行動分析学理論の有用性と今後の展望まで深く学ぶことができました。今回得た知識を生かして実際の臨床場面で行動分析学理論を用いたリハビリテーションを実践し、患者様に効果的なリハビリテーションの提供を行っていきたいと思います。
2012(平成24年)9月1,2日(土,日),日本行動分析学会第30年次大会が高知県にて開催された.大会には,PT,OT,ST,臨床心理士,特別支援教育関係者,大学教員,障害者支援カウンセラー等,様々な職種の方が約200人参加されていた.大会には100題近くの演題登録がされており,一般演題発表は,1,2日目の午前中にポスター形式で行われ,聴者と発表者との間では積極的な質疑応答が交わされていた.

大会1日目の午前には,大会企画シンポジウム「行動分析学によるリハビリテーションの発展」が行われた.近年,行動分析学の導入によって,リハビリテーションの現場で目覚ましい成果が挙がっているとのことであり,大変興味深い内容であった.なかでも印象的であったのが,起居動作手順を覚えることが困難であった対象者に対し,応用行動分析学的介入を行うことで,円滑に起居動作を学習して行くことが可能となったという報告であった.実際の介入場面を映像にて拝見し,より臨床現場に近い形で,行動分析学の導入によるリハビリテーションの可能性を感じることが出来た.

大会1日目の午後には北澤茂先生(大阪大学)の特別講演「行動分析学の神経生理学的背景」が行われた.神経生理学的背景を持つということは,行動分析学の正当性が行動分析学以外の学問によって支持されるということであり,行動分析学を専門とする方,あるいは入門したての私にとって,元気を与えてくれる講演となった.講演内容は,中脳ドーパミンに代表される報酬系に関するお話であった.報酬系は,行動選択に対する報酬信号として,選択した行動の優位性を学習,記憶させる働きがある.私は,この報酬系メカニズムと,対象者の「できる,できた」と感じる成功体験との間には密接な関連があると思っている.講演内容で最も印象的であったのは,報酬系の働きはコントロールする必要性があり,最初から予測期待値を上げ過ぎてしまわないように配慮することや,報酬の順応を作らないようにすることが重要であるということだった.このお話を踏まえ,私はOTとして対象者に「小さな成功体験を積み重ねる」ように介入して行くことが重要であると感じた.

私は就職1年目で学会発表させて頂く機会を得た.このような機会が得られたのも勤務先である相澤病院,養成校(新潟医療福祉大学)在学中の先生のお力あってのことと感謝の念でいっぱいである.発表内容は養成校在学中に先生と共同で行った基礎研究であり,臨床研究中心とした中で発表するには「説明力,伝える力」が問われた.今回の学会発表参加目的の一つに,それらの力を養うことと私は掲げていた.臨床場面において,対象者,その家族とのラポール形成の一つに「説明力,伝える力」がキーワードになると私は思っている.学会発表を通して経験出来るのは,知見だけでなく,社会性を学べる側面もあると私は思う.今回の学会参加を糧に日々の臨床で精進して行きたいと感じた.